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chauseについて /「大切を紡ぐ家」

2016年11月9日 20:18pm

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「chause」とは熱海市渚町にある吉野屋商会をリノベーションして生まれた「住むだけじゃない、つくって・売れる、手仕事のための家」です。母屋と倉庫の2つの建物があり、母屋は75平米ほどの2階建で、1階ではショップとカフェが営業しており、2階に3部屋の居室があります。倉庫は1階2階を合わせると100平米ほどで、17年の春からシェアアトリエとイベントスベーストしての運営が始まります。
 
chauseのコンセプトは「大切を紡ぐ家」。作り手の顔が見える器を使うことから食器などのモノを大切にしたり、器に合わせて新しい料理にチャレンジしたり。いつもの日常がちょっとだけ豊かに、ただただ過ぎ去る日常を少しだけ慈しむことが出来るようなきっかけを提供できる場所。そんな場所を目指しています。
 
そして、若いクリエーターの活動も大切にしたいと考えており、地元の飲食店や旅館に彼らの作品を知ってもらう機会をつくり、地元飲食店と連携したワークショップやイベントを開催して一般の人にも知ってもらう可能性を模索しています。
 
 
chauseが「茶田さん家」だった頃
11人の家族が暮らし、知らない人まで出入りしてた賑やかな家

 
chauseがあるのは熱海市の渚町。熱海が新婚旅行先のブームになる前から飲食店や生鮮食料品の店が建ち並び、最盛期には日活の映画館やローラースケード場まであり、本当に賑わいのある場所でした。
 
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吉野屋商会はそんな渚町が元気だった昭和20年代に、材木屋として建てられました。吉野(奈良)の材木を販売していたことことから店名は「吉野屋」に。オーナーの茶田さんのお祖父さんが単身赴任でお店を始め、徐々に家族も熱海に移り、多い時は11人もの家族にご近所や知らない人までが出入りするような、とても賑わった家だったそうです。
 
その後、茶田さんのお父さんが割箸の卸業に事業を変え、今では割箸だけでなく紙エプロンなどの消耗品全般を熱海の飲食店や旅館に卸す事業になりました。その変化の中で、家族もそれぞれの家を持ち、茶田さんの家も隣町に移り、会社の本社も別の地区に移っていきます。誰も住まなくなった家は、茶田さんの会社が取り扱う商品の袋詰めなどの作業場と倉庫として使われていました。
 
 
つながりから見つけた「器作家(陶芸家)」というキーワード
 
母屋の1階と倉庫だけを会社として使っており、空いている部屋も多かったことから、その部屋をNPO法人atamistaのインターンの住まいとして貸していたご縁もあり、リノベーションスクールへの参加を決めたとのお話でしたが、最初は茶田さんも「何か使えるなら、どうぞ」といった程度の軽い感じで考えていたそうです。
 
茶田さんとしては、リノベーションスクールでプレゼンされるのは「アクセサリーを作っている娘さんのスペース」ではと予想していたそうですが、提案されたのは「器作家が暮して・つくって・売れる場所」。茶田さんにとっては予想外の提案でしたが、ユニットメンバーにも想定外だったのは、プレゼン後の茶田さんからのコメントで「あの家に住んでいた母が、生前の最後にやりたいと言っていたのが陶芸だった」とのお話があった事でした。
 
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渚というエリアと吉野屋の建物、そしてユニットメンバーのつながりで見つけた「器作家」というキーワードでしたが、地域と建物との不思議なご縁を感じながら、その場でこのプロジェクトの実施が決まりました。
 
 
茶田さんの悩みとプランが吉野家に根付くまで
 
ただ、やはりプロジェクトが進めば悩みも生まれるもの。オーナーの茶田さんは、自分が育った大切な家だから思いが強く、改装がすすむ建物を見ていろいろと思う事がありながらも、動いてくれるメンバーに気を使ってなかなか言えず、悩んでしまった時期もあったそうです。
 
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そんな時にユニットメンバーの一人から「オーナーの思いは、はっきりと伝えてほしい」と言われ、茶田さんの心も決まります。リノベーションのプランにオーナーさんの気持ちが入り、プロジェクトが吉野屋にしっかりと根を張り始めた時でした。

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やればやるほど生まれる「追加の仕事」と「新しい出会い」
 
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リノベーションに関わった誰もが感じるでしょうが、プロジェクトが動きだすと予想外のハプニングばかりおきます。
 
耐震補強が必要になったり、陶芸の窯を選び始めたら電気・ガス・灯油などの燃料によって違いがあるのにchauseには電気炉しか置けず、しかも床の補強工事が必要になりました。天井の電気配線に対応するため、仕上げた壁を外す事になったり。古くて使われていないはずの配線を切ると、外の自動販売機が止まってしまったり。。。まだまだたくさんの想定外がありました。
 
もちろん嬉しい予想外もたくさんあります。そのひとつが、作業が進むうちにメンバーがどんどん陶芸の世界にはまったこと。岐阜の多治見や瀬戸・名古屋、東京のギャラリー、横浜の陶芸イベントに足を運んで、若手陶芸家との関係を築き、その過程でユニットメンバーの伊藤さんが、なんと自分でchauseの母屋1階で「My Table」という器のお店をやるという決心まで。
 
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そしてもう一つが、お披露目イベントでコーヒーのワークショップをして下さった三島の人気カフェ「ohodo cafe」さんがカフェを出店して下さる事になり、最初は週末のショップ営業だけだった母屋の1階も、今では定休日以外は毎日明かりが灯るようになりました。
 
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さまざまな出来事やイベント、出会いを繰り返しながら、いよいよ倉庫もシェアアトリエとイベントスペースとして、17年の春のオープンを目処に動きは始めており、いよいよchauseの建物全体が動き始めます。
 
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これからのchauseの取り組みにぜひご注目下さい。